「お兄ちゃんが危篤で今夜危ない。葬式代出して!」
1年半前、突然兄嫁から電話で兄の危篤を告げられた。
えー!マジか?
つい最近まで私を悩ませ続けていた兄が急に終わるのか?
ちむどんどんよりヒドイ兄
私のお兄ちゃん・・・。
生まれるときも死ぬときも迷惑を掛ける筋書きを持っていたのか・・・。
兄を身ごもっている時、母はつわりが酷かった。
生まれるときも難産で生まれてからも手のかかる子だったらしい。
私は子供の時よくいじめられた。
貯金箱からお金を抜き取られたり、飲み物に香辛料を大量に入れられたり。
プールで追いかけられ何度も足を引っ張られたときは、本当に殺されると思った。
母は兄が幼稚園、小学校、中学校、高校、専門学校のどの時期も先生から呼び出しを受けていた。
社会人になっても借金、出来ちゃった結婚後の離婚、再婚、仕事を転々、アルコール依存症。
年がら年中金がなく、消費者金融や知人から借金しては返せなくて親と私に無心してくる。
両親が亡くなってからは私一人が金づるになってしまっていた。
夜中に何度も無言電話
何故か兄は深夜1時頃から朝方まで何度も無言電話をしてくる。
金の無心は凄く困るけど、深夜の無言電話が一番困る。
夫と子供と私は朝早くから仕事に出かけるのに睡眠障害になる。
たまりかねて兄の電話番号を着信拒否にしたところだった。
兄嫁からの電話にも1ヶ月ほど出なかった。
縁を切りたかった。
そんなとき何度も何度も兄嫁から電話がかり、ついに出たら冒頭の内容だった。
低酸素脳症
心臓が止まり血流が途絶え脳に十分な酸素が行かなくなった。またその後、心臓が動き出したが、すでに脳の細胞が酸素不足で死んでしまい、低酸素脳症を生じることとなった。
突然兄が倒れて救急車で運ばれたときに人工呼吸器を付けられたせいで延命治療になってしまったらしい。
兄は生前、寝たきりになりたくないから延命措置はしないと兄嫁に言っていたらしい。
なのに何故このような状態で生き続けなければならなくなったのか?
延命治療は誰のため?
コロナの感染状況が少し落ち着いた時期に1度だけ面会に言った。
気管切開されて気管に短いチューブを入れられていた。
喋ることも食べることも出来ずに寝ているだけ。
兄のおでこに手を当ててみたら、視線を上に動かしたので意識はあるのかなと思うが、それ以外の反応はない。
ほとんど眠っている。
栄養剤の点滴に睡眠薬を入れているらしい。
本人も看護婦もその方が楽だからだと言う。
ヒドイ話だ。
こんなに手厚く?されていたら治らずに障害のまま生き続けるのだろう。
何の楽しみもなく退屈な時間が過ぎていくだけの兄。
兄が何か思ったり出来るのかさえ私たちには分からない。
これから先、もしかしたら私たちより長生きするかもしれない。
誰のため何のために生きるのだろうか?
まとめ
もう兄から金の無心をされたり真夜中に電話がかかってくることがなくなった。
今のところ私の家族は平穏な家庭生活を送れている。
しかしこの状態が良かったとは思っていない。
当たり前だ。
身内の不幸を喜べるはずがない。
兄嫁からは定期的に葬式などについての相談がある。
まだまだ兄弟リスクは終わっていないのかもしれない。
次のステージに移っただけなのかもしれない。
近づいてくるリスクの足音に耳を澄ませている。
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