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夜の公衆トイレに通う私の悲劇/駐車場管理人の記憶2

駐車場管理人の記憶
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前回お話ししたように28年前オープンした頃は当駐車場はパックハウスの管理棟しかなかった。

朝7時半出勤、夜10時退勤。
トイレなし。水道なし。料金計算は暗算。
社長とふたりだけで必死に運営していた。一番困るのはトイレ。

夜の公衆トイレ

社長と二人の長時間勤務でトイレは交代で近隣スーパーマーケットや商業施設で借りる。
夜は出来るだけ我慢するがどうしても行きたいときがある。

夜は走って3分の公衆トイレを利用する。

サスペンスかホラーの気分だ。

女子トイレのおっさん

まず、トイレ建物の周囲を見回してからドキドキしながら女子トイレの中に入る。
三つの扉(一つは掃除道具の保管場所)が開いてるか確認。
閉まっているときはノックしてみる。(ノックするのも怖いけど)
出てくるのを待つ。夜に公衆トイレに入っている女子はほとんどいない。
出てこないときは、何故かおっさんが入っている。
普通に女の人が出てきても高齢のおばちゃんだ。
おばちゃんがトイレ棟から離れていく前に私は素早く用を足す。

覗き見る変態


いつもの手順でトイレに入ったある日の事、
個室に入ってやりだしたときにバタバタと足音が猛スピードで近づいてくる。
ヤバいヤバいと思ったがどうしようもない。
誰かが隣の個室の和便器の上に乗ってこちらとの仕切り壁に手をかけて覗こうとしている。

「ぎゃーああああ~、わおー、ぐうおー!」

と、最大級の大声で叫んだら、

野生じみた雄叫びに恐れをなしたのか、またバタバタと逃げて行った。

交番のトイレ

別の日は誰もいないのに全部の扉が閉まってる。
きっと変人のイタズラだろう。
近くの交番に行き事情を話してトイレを借りたいと申し出るが

防犯上、交番のトイレは貸せないです。

 私 「え~!なら、トイレの扉をよじ登って中から鍵外してよ~

仕方ないですね。では、貸します。どうぞ。


なんだなんだ貸すなら最初からツベコベ言わずに素直に貸せよ

おかげで安全安心な交番の奥のトイレでゆっくり用を足せた。
それだけでラッキーと思える自分の境遇が哀れだけれど。

ユウレイ?しつこい幽霊オンナ!

またまた別の日は幽霊としか思えない不思議な女もいた。

トイレ棟に入ったら珍しく私と同じ年代(30歳)の女がいた。
奥の扉の前でじっと立っている。
私は手前のトイレに入る。
なぜか私の入った扉がノックされる。あの女だな。
ノックを返す。またノックされる。ノック返す。ノックされる。
「なに?」私はもうノックを返さない。ノックされる。ノックされる、ノック、ノック、ノック、ノック、ノック、ノック、ノック、

「なんですか?」

ノックされ続けている扉を開けた。

女いない。 いない女、オンナ、おんな、どこ?

冷たい風が通り過ぎる。

半年後、救世主現れる。

こんな過酷な勤務も会社倒産後の無収入時代に比べればありがたい。

心身ボロボロになりながら、少しずつ繁盛していく商売。

ある日、コインパーキングのメーカーの営業マンが来た。

出入り口に発券機と精算機を設置してバーで開け閉めするように提案してきた。

機械と工事費で600万円以上掛かる。

無理、無理、無理!

金ない。金ない。ノーマネー!

しかし中古の機械をリースで安く入れてくれることになった。

やったーこれで24時間営業できる。しかも常駐しなくてもいい。

相変わらず水道とトイレはないが普通の人並みの勤務時間になる。

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